バリューとカルチャー

SmartHRが大切にするバリューとカルチャーを紹介します。

バリュー(行動指針)

私たちは、バリューを体現することで「早く・遠くに・共に行く」実現し、well-working社会くっいきす。

私たちはミッションの実現に向けて、バリュー・カルチャーに基づいた意思決定や行動を大切にしています。バリューに合致する行動ができているかは、評価項目にも組み込まれています。

なぜバリューを大切にするのか

SmartHRでは、バリューを「企業が競争優位性を作り続けるための行動指針」と定義しています。バリューに合致する行動が増えるとビジネスが成功しやすく、バリューに反する行動が増えるとビジネスが失敗する、そのような考え方です。事業と組織を成長させていくために、私たちはバリューに基づき日々行動しています。

  • 1.まずやってみる人がカッコイイ

    どの選択肢が正解かなんて誰にもわからない。だから光の速さでまず動こう。試行錯誤を重ねて正解にしていこう。前のめりな失敗は、必ず次の正解に繋がっていく。

  • 2.人が欲しいものを超えよう

    世の中は絶えず変化している。「こんなものだろう」という思い込みを捨て、現状を疑おう。そして真の課題を見つけ、人が欲しいものを超えていこう。期待を大きく超えた先には、まだ見ぬ偉業が待っている。

  • 3.ためらう時こそ口にしよう

    私たちは高みを目指す。そのためには言いにくいことを口にする勇気も必要だ。建設的なフィードバックは、人や組織に前向きな変化をもたらし、成長を加速させる。見て見ぬふりをせず、“部屋の中の象”を追い出していこう。

3つのバリューの関係性

この3つのバリューは、単体で成立するものではありません。

闇雲にまずやってみるのではなく、「人が欲しいものを超えられる」と思ったことに対して、必要以上に時間をかけず「まずやってみよう」という考え方です。そして失敗しても試行錯誤しながら自ら正解にしていこうというメッセージが込められています。

さらに、この2つのバリューを高いレベルで体現し、成果を出し続けるためには、個人と組織の日々の成長が欠かせません。そのために、時にはためらいたくなるような、でも成長と成果のために必要となる建設的なフィードバックを口にすることが必要だと考えています。

これらのバリューを同時に体現することで、「早く・遠くに・共に行く」という私たちが理想とする活動が可能になると考えています。

「まずやってみる人がカッコイイ(光)」と「人が欲しいものを超えよう(偉業)」の両立、その「光」と「偉業」実現させるために必要な行動が「ためらう時こそ口にしよう」という図

カルチャー(企業文化)

SmartHRにとっての
カルチャーって?

私たちにとってカルチャーは、バリューを体現しやすくするための土壌のようなものです。SmartHRには「オープン」「フラット」「遊び心」というカルチャーがあります。実際にSmartHRでは、誰もがほとんどの情報にアクセスでき、立場を超えて建設的な議論が行われています。カルチャーが浸透することで、バリューを体現しやすい環境が生まれると同時に、人ではなく「コト」にまっすぐ向き合い続けられる環境があります。
また、カルチャーは自然に維持されるものではなく、メンバー一人ひとりの行動が積み重なり維持・進化していくものです。そのためカルチャーは「独自性が高く」「模倣されにくい」という特徴があり、競争優位性に繋がる重要なファクターとも考えています。

バリュー・カルチャーを深堀り

1.価値があると思ったら、まず動き出す

バリュー

  • まずやってみる人がカッコイイ
「光」「光の速さ」「光の戦士」「許可より謝罪」「きょかしゃざ」「キョカシャザ」というスタンプと、Slackでそれが使われている様子の画像
「光」「光の速さ」「光の戦士」「許可より謝罪」「きょかしゃざ」「キョカシャザ」というスタンプと、Slackでそれが使われている様子の画像
素早い行動を称賛する「光」にまつわるスタンプが日々のコミュニケーションで頻繁に使われます。「きょかしゃざ(許可より謝罪)」も日々のコミュニケーションに馴染んでいます。

SaaSプロダクトは最初から完成していることはありません。どんなに優れたプロダクトにも改善点や進化の兆しがあり、リリース後もユーザーの声をもとにアップデートし続けます。アップデートし続けるのは、自社の制度や仕組みも同じです。社会の状況や企業フェーズに合わせた変化が常に求められます。

だからこそ、はじめから完璧を求めて必要以上に時間をかけるのではなく、考えたら実行し、素早くフィードバックを受けて軌道修正していく、その改善のサイクルを回し続けることが大事だと私たちは考えています。

日々の仕事やプロジェクトを進めるうえで大事なことは、必要以上に合議制にこだわることではなく、部分的にでも決めて動いてそこから正解を導き出していくことです。役職に関わらず、勇気と責任をもって自ら意思決定することが求められます。

未知や未経験のことに対しても失敗を恐れず、当事者意識を持ってチャレンジする

価値がある・必要だと思い、早く動き出したことでいい成果をもたらした事例を紹介します。

  • ユーザーコミュニティ「PARK 」で寄せられたユーザーの悩みに対して、有識者を巻き込んで解説する記事企画を新たに立案。取材から制作・公開まで最短で実施する仕組みを構築し、オウンドメディア「SmartHR Mag. 」で約2か月で15本の記事を公開しました
  • 障害者雇用に関する社内勉強会を、入社1か月半の社員が自主的に企画・実施。テーマに対する社員の理解を促進しました
  • AI技術の検討を行うために、PMメンバーが社内勉強会の企画を主導。PM対象の勉強会開催に続き、全社員にも勉強会を展開しました。並行してセキュリティエンジニア主導で「AI活用ポリシー 」策定を行い、社内でのAI技術導入がスムーズに進みました
2023年5月22日 全社員対象LLM勉強会の実施。2023年6月30日 「SmartHR AI 活用ポリシー」策定のお知らせ。2023年7月6日 「従業員サーベイ」機能においてAIを利用した自由記述回答 ようやく昨日のテスト版を公開 2023年7月14日 LLMハッカソンの開催。社内で開催した「LLMハッカソン」には全11チーム・合計40名が参加しました。ハッカソンの様子は、note「社員総出でAI活用の活路を探せ!部署を超えたチームでLLMハッカソンを開催しました」でご紹介しています!参加メンバーの職種事例 エンジニア・プロダクトマネージャー・プロダクトデザイナー・アクセシビリティスペシャリスト・カスタマーサポート・UXライター・PMM・コミュニケーションデザイン・マーケティング・セールス・カスタマーサクセス・労務・法務など。発表テーマの事例 SmartHRがどれだけセキュアか、知っているAI・1on1を等した成長支援AIメンター・加増とほしいフォームの型を投げられたらフォームに合わせてテキストを返してくれるやつ・emoji盛りメーカー・人事労務情報まとめるくん(仮)・聞いて、答えて、育産休 など
AI活用に向けた取り組みの一部を紹介します。全社員対象の「LLM勉強会」実施、「SmartHR AI活用ポリシー」策定、実プロダクトへの実装(テスト版公開)、社内での「LLMハッカソン」開催が怒涛の勢いで行われました。

2.ステークホルダーの声を聞きに行き、期待を正しく捉える

バリュー

  • 人が欲しいものを超えよう
「ユーザーに会いに行こう ・ユーザーと業務の解像度を上げ、人が欲しいものを超えよう・担当機能だけでなく、業務の全体がどうなっているか、どんな人が関わっているのか、何を大事にしているのか、興味を持とう・開発するときに、1人でも実際に使う人の顔が浮かぶようにしよう」と書かれたスライド。右上にCPOの安達さんのワイプがある
「ユーザーに会いに行こう ・ユーザーと業務の解像度を上げ、人が欲しいものを超えよう・担当機能だけでなく、業務の全体がどうなっているか、どんな人が関わっているのか、何を大事にしているのか、興味を持とう・開発するときに、1人でも実際に使う人の顔が浮かぶようにしよう」と書かれたスライド。右上にCPOの安達さんのワイプがある
全社キックオフでCPOの安達さんから「ユーザーに会いに行こう」という話がありました。このページは全社キックオフ後に開催される部署ごとのキックオフでもしばしば引用されました。

プロダクト開発やセールスに関わる社員も、コーポレート業務に関わる社員も、ユーザーのリアルな声を聞き、課題と期待を正しく捉え、それを超えるためのアクションをすることを大事にしています。

2024年の全社キックオフでは、CPO(最高製品責任者)の安達さんから「ユーザーに会いに行くこと」の大切さが改めて強調されました。ユーザーと業務の全体像に対する解像度を上げ、「作る、売る、検証する」というサイクルをビジネス組織・プロダクト組織が協働して回していくことで、ユーザーの期待を超える価値の提供を目指します。

これは、コーポレート組織にも同じことが言えます。組織拡大に伴い、社員からの問い合わせやニーズは自然と増えていきます。その声に耳を傾けながら、会社の現状やさらに先の変化を見据えて、制度や仕組みをアップデートしていく動きが求められます。

ユーザーや社内外の声を聞いて、あるべき姿から考える

まず、プロダクト組織・ビジネス組織の事例を紹介します。

  • 開発検討フェーズでは、定量調査に加えてユーザーインタビューなどの定性調査を実施します。インタビューには、プロダクトマネージャーだけでなくエンジニアやデザイナーなど開発に関わるメンバーが誰でも参加できます
  • 開発フェーズでは、スプリントレビューを週次で実施。荒削りな状態でも積極的に共有し、フィードバックを早めに得ることを重視します
  • 営業や導入支援の会議でユーザーからいただいたフィードバックは、積極的にビジネスサイドに共有します。ニーズや課題を捉えるために必要に応じて追加でユーザーインタビューを行い、開発ロードマップに随時反映していきます

コーポレート組織の事例も紹介します

  • コロナ禍以降の出張の増加や、制度・ツールの複雑さにより出張制度に課題がある状態でした。出張頻度や目的が異なるさまざまな部署へのヒアリングや定量調査を通じて制度とフローの改善を実施。今後も継続的な振り返りを行っていけるよう、出張データを蓄積し分析できる状態を整えています
  • 社員数増加や企業フェーズの変化により、カシュ(18:00〜、退勤後にオフィス冷蔵庫のドリンクを自由に飲むことができる制度)の運用に一部うまくいかない部分が出てきていました。多様な社員の声を聞き、変えない点・新しくする点を決め、カシュ体験そのものの向上に寄与するアクションを考案しました
左の写真: バザール(みんな気てね)と書かれたホワイトボード。タイムスケジュールと部屋ごとに見せる機能が書かれている。右の写真: 機能を説明している2人を囲む10名程度の社員
機能に対するフィードバックをバザー形式で社員から集めるイベントが定期的に開催されます。開発者だけでなく社内の誰でも参加可能です。

3.コトに向き合い、建設的なフィードバックを行う

バリュー

  • ためらう時こそ口にしよう

カルチャー

  • オープン
  • フラット
オンライン会議にてGoogle ChromeとSlackの実況チャンネルを画面共有している様子のスクリーンショット
オンライン会議にてGoogle ChromeとSlackの実況チャンネルを画面共有している様子のスクリーンショット
参加者が多い会議は、Slackの実況チャンネルを画面共有し、テキストでの質問やコメントがしやすく、話者も気づきやすくなる工夫をしています。

期待を超える価値を届けていくために、率直なコミュニケーション・建設的なフィードバックは不可欠です。お互いを信頼したうえで一歩踏み込んだコミュニケーションをとるための共通認識づくりや、日々の工夫をいくつか紹介します。

  • お互いに「HRT(Humility/謙虚、Respect/尊敬、Trust/信頼)」を持って接することを共通認識としています。ここには「先入観なく人の意見に耳を傾けること」「自分以外の人は有能であり、正しいことをすると信じること」といった考えが内包されています
  • 会議中の積極的なリアクションを大事にしています。SmartHRの会議は基本的にオープンで誰でも参加可能ですが、議論が活発になるよう会議の必須参加者は本当に必要な人に絞り、会話やチャットでのリアクションを含め参加者は積極的に発言するようにしています
  • 同期・非同期に関わらず、議論の前提や背景、質問の意図を話し手と聞き手の双方が積極的に確認することで、認識の齟齬がない状態をつくりながら議論します

前提として、情報はオープンに共有する

私たちは、経営が持っている情報とメンバーが持っている情報をできる限り同等にすることで、メンバー一人ひとりが課題を見つけ、自律して解決に動けると考えています。一人ひとりの気づきのレベルを上げるために、また新しいメンバーが過去の意思決定の背景を理解しやすくするために、情報をオープンにすることにこだわっています。

情報をオープンに共有する仕組みをいくつか紹介します。

  • SYNK(ヨミ:シンク)…経営会議の要旨を共有する全社員参加必須の会議です(毎週30分)。ここでは売上状況や商談進捗数、プロダクトのリリース状況など事業の重要情報を共有・把握します。月1回は、ボードメンバーが、事業や組織の課題・重要トピックに対する考えや想いを発信する時間としています
  • ドキュメントに残す文化…経営会議や事業戦略発表会など会社の方針に関わる重要な会議は、議事録と録画が原則、開催日に全社員向けに共有されます。その他、商談や各種調査に関する資料、プロジェクトの議事録もドキュメントで公開されています。その他、商談や各種調査に関する資料、プロジェクトの議事録もドキュメントで公開されています
これまでSYNKで発信された、経営メッセージのテーマ例 今のSmartHRに必要な「自律駆動」とは・オンライン・オフラインのハイブリッド時代における、コミュニケーションを軸にした「カルチャー形成」について考える・チェーンリスクを正しく把握する・素直なフィードバックを理解する など。「SYNK」「今後の事業方針について」と上辺隅に書かれた画面に経営陣3名が並んで喋っている画像が添えられている
毎週開催されている全社員参加必須の会議「SYNK」。月に1回は、ボードメンバーが事業や組織の課題・重要トピックに対する考えや想いを発信する企画が開催されます。